Album Cover 雲を恋う

雲を恋う

須田景凪

16

何処かへ行った晴天と 斑な暮らしの中

見慣れた横顔 窓を突いた雨音

言ってしまえば 全ては取るに足らない些細な言葉が尾を引いていく

抱えた痛みの数なんて

覚えてはいないけれど

確かにふたりの愛を育てた

安っぽい日々を送ろうね 下らない話をしようね

乾涸びた朝を重ねては 幸せだと笑おうね

きっと先のことは分からない 今はただしなだれた貴女が

涸れる事のないように 歌を歌うのだ

慰め合うのは簡単だ

故に此処にあるのは くすんだ空模様

夢に飼った蜃気楼

貴方の気を惹こうとして

独りに善がっていた

幼く醜い恋心だ

迷い込む闇の行く末に 安らかな心が燈った

差し伸べた手の平はどうか離さないようにしようね

雨の這う紫陽花を見ては 共に揺れる貴女の言の葉が

褪せる事のないように空を仰ぐのだ

囁きを交わして

何でもない秘密を持った

洒涙雨のような思い出だ

瑠璃色を隔てて

ぎこちなく笑い合っていた

華やかな笑顔に見惚れました

ほら

安っぽい日々を送ろうね 下らない話をしようね

乾涸びた朝を重ねては幸せだと笑おうね

きっと先のことは分からない 今はただしなだれた貴女が

涸れる事のないように歌を歌うのだ

在れるままであるように 君を愛すのだ